「ダメ人間・萌乃香」


・・・先生、そろそろ限界ですか?




「天才料理少年 味の助」(宗田豪)




「萌乃香復活」の一言で片付けても良いんですが、とりあえず第33話のレビュー逝きます。



成績不振でヒッキーになった(1日のみ)萌乃香を救うべく、味の助が萌乃香の食事を作る事になった。
一方、味の助が修行するレストランでは・・・


“ったく・・・・何やってんだアイツは・・・・!!”

(味の助・・・・お前今日が賄い当番だってこと忘れたのか!?)

(この前の賄いで大失敗してるんだ・・・・もう後がねえんだぞ!?)



と、2日連続で賄い当番の味の助、これは何かの罰ゲームですか?
つーか、味の助に2日連続でやらせるくらいなら、仕事してない天堂にやらせろ。
この「賄いの本質」編もさっさと切り上げたくてしょうがないみたいですね。

そんな愛しの百田の心配をそよに萌乃香の食事の買出しをする味の助。
これにより「賄い本質=あり合せの食材で手早く」という学説は否定されました。



さて、ここからしばらく萌乃香の回想シーンになります。
言ってみれば「ヒッキーへの道のり・萌乃香編」とでも言うべきでしょうか。

事の発端は・・・



このテストからだったようです。
この時点ではまだへこむことなく、次のテストに向けて頑張る萌乃香でしたが・・・


(2度とあんな点とったりしない!!)

(頑張るしかないんだ!!)

(次のテストでは必ず・・・・!!)



次のテスト・・・



(!?)


あ〜、こりゃ味の助が伝染(ウツ)ったな・・・

いくら何でも5点とか10点なんて、試験直後に気付きそうなもんですが。
このレベルはもはや計算ミスとかうっかりのレベルではないですよ。

そんな萌乃香に追い討ちをかけるかのごとく、周囲ではしゃぐ奴等がいます。


“ち・・まーた下がりやがった・・”


伝説の武闘派・ダブリの斉藤くんです、なぜか同じクラスに。


“うわ〜私も惨敗だ〜〜〜”


ヘタレ水泳少女・かおりちゃんです、こいつもなぜか同じクラスに。


“僕なんて0点だよ〜〜〜”


さすがに一際輝いています、我等の味の助。
中学校のテストじゃ白紙でも無い限り0点なんてありえないと思うんですが、そこはさすが味の助です。


“うおっ!!俺見たの初めてだよ!!”


パン屋のバカ息子・池田くんが騒ぎたてます、だからどうして同じクラスに?


いつの間にか同じクラスになっているバカ四天王、同レベルの萌乃香をよそに更に騒ぎます。


“まぁ、別にいーじゃねーか テストなんて”

“どうせ俺ぁ親のあとつぐつもりだし お前ら水泳とサッカーだろ?”

“味の助なんてそれこそ料理があるんだしよ!”

“俺らにゃテストなんて関係ねーって!!”



さすがに0点は人としてどうかと思うんですが・・・
それより、斉藤くんが親のあとを継ぐとは初耳ですが、

「逆らう奴はミナゴロシ」「簀巻きで学校のプール」

等の伝説の持ち主に精肉店なんか継いで欲しくないですね、何の肉売ってるか分かったもんじゃねぇ。
その他の2人も怪我して水泳とサッカーがダメになったら、一気にダメ人間街道まっしぐらですよ。
実は一番堅実なのって味の助か?

そして更に萌乃香を追い詰める味の助の一言。


“だよね〜萌乃香みたいにいい点取る必要ないもんね―――”

“そ・・・・そんなこと・・・・”


お前はもう少し点数について悩め( ゚Д゚)ゴルァ!
さて、そんな一言が萌乃香を決定的に追い詰めることになります。


(私はみんなみたいに夢中になれるものがないのに・・・・)

(なのに・・・・成績までこんなになって・・・・)

(どうしよう・・・・みんなそれぞれの道を見つけて歩いているのに・・・・私だけ何もない・・・・)


ありがちですのこの辺は省略します、この漫画はいつから中学生日記になったのですか?











で、ここで本編には何も関係ありませんが、一つ考察をしてみたいと思います。
まず、注目すべきは・・・



このテストに“末考査 数学”と書かれています、そして・・・



このテストには“中間考査”の文字が確認できます。
このことから「味の助」の季節感を読み取ろうと思います。

“末考査”は「期末考査」もしくは「学年末考査」で間違いないでしょう。
“中間考査”はそのまま「中間考査」でしょう。
そして、この間に味の助たちの制服が変わってないことを加味すれば、

「学年末考査」〜「1学期中間考査」

この回想シーンが上記の時期に起きた出来事であると予想できます。
こう仮定すれば、池田くんやかおりちゃん、 ダブリの斉藤くんが同じクラスにいるのも進級によるクラス替えと言うことで説明できるわけです。

さらに制服という点に着目すれば、味の助の制服は連載開始から一度も変わっていません。
つまりはこの漫画の出来事はすべて「9月〜5月」の間の出来事ということになります。

これらの結果を踏まえると、やっぱこの漫画には「季節感」が欠如していることが再確認できます。
料理にはそれなりに季節が反映されるものだと思うんですが、この漫画で反映されるのは作者の願望だけのようです。
これを機に「旬の食材」でも使ってみませんか、まぁ、できればの話ですがね・・・











“萌乃香!!”


と、味の助の叫び声で本編のレビューに戻っていきましょうか。


“萌乃香・・・・!!ここにご飯置いとくから・・・・僕下で待ってるから”

“待ってるから!!”



そういい残し、食事を置いて去る味の助。
萌乃香は味の助が階段を下りたあと、料理を受け取ります。


“おにぎりの詰め合わせ?”


さ、またどうでもいい味の説明なので手早く行きます。
詰め合わせの内容は・・・


オムライスおにぎり・・・チキンライスおにぎりを卵で包む、同じのをコンビニで見たことあります。

飾りおにぎり・・・五目の味が大葉の香りに包まれる、五目の内容は不明。

ピーマンのおにぎり詰め・・・ピーマンの中に炊き込みご飯、ピーマンに火が通っているかは不明。

その他(絵から確認できるもの)・・・天むす、トンカツのおむすび(?)


そして今回の目玉が「焼きおにぎり」
萌乃香は米粒を実際に手に取ることでその正体に気付きます。



いくらもち米でもこんな粘りはないと思うんですが・・・

やっぱアレですか、でも口元から伸ばした方がリアルだと思うんですが?
どっちにしろパワー不足です。

さて、この「もち米焼きおにぎり」ですが、どうやら味の助と萌乃香には特別な料理らしいのです。


“実は昔 萌乃香に・・・・このおにぎりで救われたことがあったんです”


と、萌乃香の母親に語る味の助、今度は味の助の回想シーンです。


小学1年生の味の助、萌乃香と餅つきに挑戦

もち米は蒸せたらしいが、うまくつけずに失敗

押入れに引きこもり号泣する味の助

萌乃香、もち米をおにぎりにする

“味の助くんの「味」がするもん!”

味の助立ち直る


ということがあったそうです、何だよ味の助の味って。
使い所を間違わなければ、それなりにエロいセリフなのに・・・
宗田先生・・・もうダメなんですか・・・


ということで、回想シーンも終わり萌乃香復活です。
何かすっごく泣いてますが、もうどうでもいいです。
結局引きこもったのって1日だけだったな。



所変わって味の助の修行するレストラン・・・

やはり味の助は賄いに「おにぎり」を出していました。
愛しの百田くんは心配でしょうがないみたいですが、そんな心配をよそにおにぎりを貪る料理人たち。
どうやら今度のおにぎりは「賄いの本質」をクリアしたみたいです。
そして、いよいよ「賄いの本質」が明らかになります。

前回、味の助をバカ呼ばわりした先輩料理人が回答してくれました。


“まず相手に伝えたい気持ちがある”

“それが賄いの いや・・・・料理の本質なんだ!!”

“前に作ったお前の料理は技術を見せようとする気持ちが先走っていてそれが感じられなかった”










わーい、すごいや宗田先生♪
今まで散々想いだ何だ言っておいて、前回はそれができてなかったんですね。
前回味の助が


(そんな・・・・みんなのために心を込めたのに・・・・)


って言ってたけど、これはだったんだね。
さすが宗田先生、そこまでは読めなかったね、すっごく斜め上だよ。
トドメは


“それが賄いの いや・・・・料理の本質なんだ!!”


っていう論点のすり替え、これにはビックリだね。
なんか痛いとことつかれた政治家みたいな発言だよね、すごいや宗田先生。

さぁ、みんな納得できたかな?
えっ? 納得できないって?
しょうがないなぁ、そんなお友達はまず拳を握り締めてみよう♪
次に中指だけを立て、腕を突き上げてこう叫ぶんだ♪



















































ふざけんな( #゚Д゚)ゴルァ!









なんじゃその答えは、なめてんのか読者をよう。
料理の本質なんて論点のすり替えじゃねぇか、それで納得すると思ってのか?
料理のことなんも知らないからってよ、精神論で逃げるな、お前は危ない宗教家か。
更にその本質とやらをどうして天堂たちは見ただけで分かるんですか?
オイ、満足のいく説明をしてみろ、また“あたたか味”とか言って逃げるのが関の山だろうけどな。

今週はあまりの出来の悪さから、一気に打ち切りに近づいた感じがしました。

もうね、汁描かないなら、連載やめたほうがいいんじゃないですか・・・





次回予告


食材よりも技術よりも・・・・

込めた想いが最高の味を作る!!




・・・・・・



“しかし今のキミに一番足りないものがある”

“プロの師匠だ!!”

“そこでしっかり技術を磨くといい・・・・”




・・・・・・

次回「結局無駄だった料理修行!!」にご期待下さい。



精神論だけで技術を習得できないなら、料理修行の意味なんてねーじゃん。
そもそもプロの技術が目的で料理修行を始めたんだろ、学んだのはキャベツの切り方だけ。
今週の理屈で行くと、味の助はma-maに戻った方がずっとマシだと思います。


                                               H16・7・7